ボランティアをする

世の中のために何かちょっとした手助けができないかな。社会貢献とか大きなことを言うつもりはないけれども、社会の一員として自分にできることをしたい。そう考えるシニアは少なくないと思います。

実際にボランティア活動に参加しているシニアはどの位いるのでしょうか。ある調査によると現在何らかの社会的な活動(ボランティア活動と必ずしも同じではないかもしれませんが)を行っている高齢者は36.7%、活動していない人は63.3%でした(令和元年度「高齢者の経済生活に関する調査結果」)。行っている活動は自治会や町内会などの自治組織が最も多く(21.8%)、次に趣味やスポーツを通じたボランティア・社会奉仕などの活動(16.9%)となっています。

シニアに限らず幅広い世代のボランティア活動への参加を調べた別の調査では、過去1年間にボランティア活動に参加した人の割合は26.0%。ボランティア活動に参加した割合が最も高いのは40-44歳で32.2%、65歳から74歳の高齢者でも3割近い人がボランティア活動に参加しています。他方で20歳から34歳の各階層では活動に参加した人は2割以下と低めです(平成28年社会生活基本調査)。

高齢者のボランティア活動が他の年齢層に比較して特に高いわけではないものの、3割前後のシニアがなんらかの形でボランティア活動に参加していると言えそうです。

最近は「プロボノ」と言われるボランティア活動が一つの新しい流れをつくっています。プロボノは社会人が職業上のスキルや専門知識を生かして行うボランティア活動です。経営戦略や組織運営、マーケティング、IT、デザインなど幅広い分野での活動が可能です。ボランティア活動には「汗を流す」イメージがありますが、プロボノは「知恵を出す」ボランティアと言ってもよいかもしれません。

と言っても現役の時は仕事以外ほとんど何もしていなかった人や地域とのつながりも持たなかった人がさあボランティアだ、と考えてもいきなりボランティアを始めることのハードルは意外に高いものです。現職の時のスキルや知識もボランティア活動ではあまり使えないという人もいるでしょう。

そんな場合は、ボランティアを探すサイトでシニアが参加可能なボランティアを探してみることもできます。様々なサイトがありますが、その中でも公共性や公益性が高い民間の非営利団体である社会福祉協議会のサイトは参考になります。社会福祉協議会の活動は地域密着型なので、住まいの近くの社会福祉協議会のサイトをチェックすると様々な情報が得られます。例えば東京都であれば東京都社会福祉協議会が運営する東京ボランティア・市民活動センターの「ボラ市民ウェブ」というサイトがあります。

自分から探してみると思いもかけないボランティア活動との出会いがあるかもしれません。

他方で、原点に立ち返ってなぜボランティア活動をするのかということも考えてみる必要があるのではないでしょうか。

ボランティアは一つの方法ですが、シニアにとって大切なことは、自分自身の生活(プライベート)をより充実させるだけでなく、「公(パブリック)」、つまり社会をよりよくするためにできる何かをすることだと思うのです。もしかしたらそれは日常のごみの出し方をちょっと工夫したり、車や交通手段の利用方法を考えて環境に配慮することだったり、使用済み切手を集めたり、小銭をとっておいて寄付をしたり、そんなことかもしれません。

そして、ボランティアや社会的な活動をしていることを周りの人に積極的に話す人もいれば、静かに黙ってやる人もいます。これもその人が決めればよいことでしょう。

ボランティア活動をしなかったとしても、シニアが「公」のためにできることはいくつかありそうです。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です