ロボット掃除機

たまたま訪れた温泉旅館で業務用の清掃ロボットと出会いました。話には聞いていたものの、実物を見るのは初めてで思わず近寄って観察しました。底面は50センチ四方程度、高さは60センチちょっと。ホースやノズルはついていませんが見た目は普通の掃除機です。人手不足と人件費高騰もあって、この旅館でも導入したのかもしれません。

「AI(人工知能)が人の仕事を奪う」ということは以前から言われていますが、人口減少に向き合う日本では機械化は様々なメリットを生み出すこともできます。骨の折れる仕事や多くの人があまり働きたくないと思う環境での仕事を機械が代替してくれることや、年をとって低下した力を機械が補ってくれることに反対する人はいないと思います。

清掃ロボットというとまず思い浮かぶのは20年くらい前に登場した家庭用の丸い掃除機です。今でもスティック型掃除機と人気を二分しているようです。

家庭用のロボット掃除機を使ったことのある方はどの位いるでしょうか。実際に使った印象としては、「ランダムウォーク」が目立ち、掃除時間はかなり長い感じです。また清掃中の騒音が結構大きくて、在宅勤務など家にいる時にはロボット掃除機は使いにくいかもしれません。そして何と言っても床にものが散乱しているとロボット掃除機が座礁してしまったり、電気コードにからまって止まることもあります。

それでも座礁したロボット掃除機に思わず「しっかり掃除してね」と言ってみたり、掃除を終えてドックに粛々と戻っていく姿に声をかけたくなる人もいるのではないでしょうか。これがロボットの不思議さかもしれません。

ちなみに業務用ロボット掃除機はセンサーで部屋の形や間取りを把握してマップを使って賢く掃除する点で家庭用とは大きく異なるようです。

ヒト型ロボットが日本で多くの人の目にふれるようになったのは10年以上前のことでしょうか。ロボットと言っても作業をするロボットではなくコミュニケーション型で様々な場所で案内をする役割が主だったような気がします。ヒト型ロボットは文字通り人間の形に似せてあり顔もあります。身長は小学校3、4年生くらいで、顔も大人というよりは子ども顔です。一つの特徴は大きな目ではないでしょうか。

「目は口ほどにものを言う」と言われるように目は人の感情や気持ちを伝える重要なパーツです。そしてロボットの目は顔のパーツのバランスでいくとかなり大きめです。ただ人の目のようにまぶたがあって目を開いたり閉じたりというのはあまりみかけないように思います。

ロボットの瞬きについての面白い記事を読みました。ロボットが人間と同様に瞬きをできるようにすることは重要で、しかしながら技術的には難易度が高いということです。私たちが無意識にしている瞬きですが、目を守るとかうるおいを与えるという身体的な機能だけでなく、人が相互に交流するうえでも重要な役割を果たしているそうです。非言語コミュニケーションの一つの方法として瞬きにより様々なシグナルを伝えることもできて、例えば会話で誰が次に話すかという合図にもなるということです。このためロボットが瞬きをできるかどうか、さらには人間と同じような自然な速さと間隔で瞬きできるかどうかは、ロボットの見た目の人間らしさだけでなく、人とロボットとの交流にも影響するそうです。

今から60年以上前、「科学の子」と呼ばれた10万馬力のロボット少年、鉄腕アトムがシニア世代にとって初めてのロボット経験だったかもしれません。鉄腕アトムは人間と同じような感情を持ち、その表情はとても豊かでした。ロボットを生活の中にうまく取り入れる素地はここから生まれたのではないかと考えてみたくなります。

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